【非上場株式】相続税評価ルールの見直しへ
2026年4月、国税庁は非上場株式(取引相場のない株式)の評価ルールの抜本的な見直しに向けた検討を開始しました。
新ルールは2028年1月からの適用が予定されており、多くの中小企業経営者にとって事業承継対策の前提を覆す大きな転換点となります。
◆現行制度の問題点
現行の評価実務では、主に大会社が用いる「類似業種比準方式」による評価額は、会社の正味の財産価値を示す「純資産価額」に比べて極端に低く算定される傾向にあります。実際に会計検査院の調査では、類似業種比準価額の中央値は純資産価額のわずか27.2%(約4分の1)に留まっています。
こうした制度の歪みに着目し、「純資産価額」による評価を回避するスキームが横行していることから、見直しの必要性が高まっていました。
◆見直しの方向性
評価方法の見直しについて、国税庁は「評価の公平性の確保」や「恣意性・操作性の排除」「第三者承継の反映」などの観点から方向性を探っています。
具体的に、配当や利益の操作による不当な株価圧縮を排除しつつ、DCF法(収益還元法)など現代的な企業評価手法を参考とし、継続企業としての収益力をより適切に反映させ方向で議論が進んでいます。
今回の見直しが進んだ場合には、現行ルールに基づく対策が必ずしも将来的に有効な方法とは言い切れなくなるでしょう。
経営者は早期に専門家と連携し、新ルールを見据えた株価シミュレーションと事業承継計画の再点検を行うことが求められています。

